私の心情(10)―地方都市移住その3-移住している人の特徴

地方都市移住のレポート

アンケート調査の分析メモの第2回目です。今回は移住した人を対象に分析してみます。

2019年11月に実施した地方都市移住のアンケート調査では、306人の移住をした人が回答をしてくれました。回答者の77.8%が男性で、22.2%が女性でしたが、最も多い年齢は67歳で4分の3はすでに無職と回答割いています。

移住している都市で最も多かったのが横浜、次いで札幌、神戸、京都、伊東と続きます。ただ、この5都市で43人にしかなりませんので、意外に分散されていることがわかります。移住を検討している人の希望先と比べると、那覇(44人が挙げる)が含まれていないことが注目されます。最近検討対象になったのでしょうか、実際に移住している人は少ないのですが、是非、一度訪問して移住している人に聞いてみたいものです。

移住した人の特徴は、退職後に夫婦で移住している人が多く、その分年収は低い(平均566万円)ものの、資産は3000万円台あって、他の移住を考えたことがないと回答する人、移住を諦めた人、検討中の人と比べても遜色がありません。だからでしょうか、資産を保有している269人のうち25.7%が、持っている資産で退職後の生活を「十分カバーできる」と答えています。「何とかなる」という答えまで含めるとなんと80.3%が資産寿命が寿命前に尽きないとみています。また、移住している人の7割が資産運用の経験があり、現在も44.1%の方が運用を行っています。移住は、決して「逃げの選択肢」ではなく、資産運用や勤労の継続などと同等におかれた資産寿命の延伸対策であることが窺い知れます。

ところで、移住の決断ポイントを聞いていますが、最も多かったのが自分か配偶者の実家があるという点(42.8%)です。移住で多いのはやはりUターンと呼ばれているもののようです。ただ、その次の決断ポイントは「生活コストを引き下げられると見た」ことで23.5%ありました。

さて、1-3月中には、実際に移住した人へのインタビューを企画しています。もしアンケートにハ回答していないが、地方都市に移住していて、考えをシェアしたいという方いらっしゃれば、またはそうした人をご紹介いただける方は、フィンウェル研究所までご一報願います。