私の心情(122)―資産活用アドバイス49-60代女性の年金受給と勤労姿勢

「60代6000人の声」アンケートの分析が一通り終わって、メディアやファイナンシャル・プランナーの方向けに勉強会を開催させていただきました。そのなかで、60代女性の年金受給姿勢や勤労継続に対する分析を求められましたので、男女別の分析作業を進めてみました。

女性の生活満足度の方が高い

まずは基本的なデータを男女別にみてみます。家族構成、保有する資産額や資産寿命への考え方にあまり違いはありませんでした。特に資産に関しては、家計ベースで聞いていますので、回答者が男性か女性かでみてもそれほど大きな違いが出なかったのではないかと思います。もちろん単身世帯では違いがある可能性はありますが、全体では単身世帯の比率がそれほど大きくないことが背景にあるかもしれません。

違いが出たのは資産運用状況と満足度のデータでした。運用をしている人は男性の方が10ポイント強高くなっています。とは言え女性でも31.9%が運用をしていると回答していますので、思った以上に多い感じがします。

最も注目したのは、今回のテーマのひとつでもある満足度調査のデータです。生活全般の満足度は男性よりも0.1点高い3.24点となり、残りの4つのうち健康状態、人間関係、資産水準ともに満足度は男性よりも高くなっています(仕事・やりがいはわずかに低い水準)。男性よりも女性の方が生活を楽しんでいる感じが窺えます。

60代前半の2割が年金の繰下げ受給を想定

65歳になるとその8割以上が既に年金を受給しているために、年金受給開始を希望する年齢の分析には、60⁻64歳の男女を対象としました。図表2の通り、64歳までの年齢層では、繰り下げ受給開始(66歳以降の受給)を想定している人は全体のほぼ20%弱で、これは男女、年齢ともに大きな差異はありませんでした。

60代女性は「あと6年弱働きたい」

一方で、現在働いている60代の女性674人に何歳まで働くつもりかを聞いた設問では、36.4%が70歳まで、30.4%が65歳までと回答しています。当然ながら60代前半の女性では65歳が一つのめどになっていて、特に60歳の女性では48.4%が65歳をめどに働きたいと考えているものの、年齢が上がるにつれてその比率は低下し、代わりに70歳まで働くとの回答が増えてきます。70歳を希望する人が65歳を希望する人の比率を超えるのが64歳となっています。

現在働いている人の実年齢と働き続けたいと希望する年齢の差、すなわち「あと何年働きたいか」の平均値をとってみると、男性(3327人)では5.5年、女性(674人)では5.8年となり、60代女性の方が少し長く働きたいとの意向を持っていることがわかりました。

長く働くための工夫はできていない

より長く働きたいと考えている女性だが、長く働くための工夫をしている人は相対的に少ないようです。「スキルアップを図って継続雇用を続ける」、「新しい仕事を探して収入を確保する」、「自分で会社を立ち上げて働くようにする」と答えた人の割合は21.6%と、男性の34.3%を10ポイント強下回っています。

ただ、「工夫をしていない」とする人の比率は、女性も男性もほとんど同じ水準です。その代わり60代前半を中心に「自分は働かないが配偶者が働きやすくする」という選択肢を選ぶ女性が多くなっているようです。