私の心情(24)―地方都市移住その6-新型コロナ禍と地方都市移住

テレワークというニューノーマル

新型コロナ禍で仕事の環境が大きく変わりました。私は自宅での勤務がすでに14週目に入っています。その間、ビデオの撮影やTVの収録の仕事だけに外出しただけで、後はZoomやTeamsといったビデオ会議システムを多用して、ほとんどすべて自宅のネットワーク環境で仕事を継続することができています。まあ仕事柄ということも言えますが、しかし意外に多くの方が自宅勤務の可能性が高いことを感じたのではありませんか。

新型コロナを前提にした生活、ニューノーマルが定着すれば、働き方は大きく変わってくるはずです。何よりも企業も従業員も自宅からの勤務、離れた場所からの勤務が、しかも長期間のそうした勤務が可能だということがわかったことで、これまでなかなか進まなかった働き方の新しいパターンが一気に進むはずです。オフィスに行かないで仕事ができるとすれば、何も東京に生活基盤を置く必要はないかもしれません。これまで何度かこのコラムで書いてきた通り、地方都市で仕事を続けることが可能になるかもしれません。

遠隔勤務が地方都市移住を促進する

2019年に行った地方都市移住のアンケート調査で、定年後に地方都市に移住した306人のうち53人が「想定ほどよくない」と評価していました。その理由の第2位に上がっていたのが「仕事がみつからない」(35.8%)ということでした。もし仕事をもって地方に移住できるのであれば(何も定年後でなくても)、この否定的な意見は無くなるはずです。さらに移住を諦めたと回答した586人の方のうち、43.7%が「移住の必要性を考えたが実際の移住にはなかなか踏み切れなかった」と理由を述べています。アンケートでは、踏み切れなかった理由を詳細に聞くことはできませんでしたが、先の「想定ほどよくない」と指摘した理由を考慮すると仕事の要因は大きかったのではないでしょうか。

もちろんすべての職種、業種でできるわけではないでしょう。でもどこからでも仕事ができ、場所を特定しなくても仕事ができる時代は急速に近づいているように感じました。インフラが一気に整い、試してみた人が一気に増えたことから現実感が出てきたのではないでしょうか。新型コロナ禍から簡単に逃げ出せないのであれば、それを少しでも将来のより良い生活に向かう起爆剤にしたいものです。