私の心情(4)ー生涯現役の日に思う

高齢者が安心して資産を活用できる超高齢社会

101日は生涯現役の日と制定され、その交流イベントに参加してきました。雇用、就労、社会活動、健康寿命、資産寿命の5つのテーマを、それぞれのテーブルに分かれて議論しました。私は資産寿命のテーブルで発言をさせていただきましたが、やはり「いかに資産を使わないようにするか」が基本コンセプトになりがちです。しかし本当にそれでいいのでしょうか。4割が65歳以上になる2060年代、高齢者が保有する資産を使わなければ、一体だれが消費を支えるのでしょうか。

日本の個人金融資産は1800兆円ですが、個人が保有する土地や設備なども含めた「個人資産」で計算すると、その額は3000兆円弱にのぼります。その3分の2を高齢者が保有していると仮定すると、「2000兆円の資産を持った世代」が高齢者なのです。

その高齢者は資産を使わないようにと考えて生活を送っています。使い切らなかった資産は、平均寿命が延びたことで90歳前後から60歳代への「老々相続」となり、高齢者のなかでぐるぐる回っています。年間相続額の規模は推定で50兆円。もし高齢者がほんの少し安心して使える施策を行って、例えばその1割、5兆円が消費に回るだけで、GDP成長率を1%引き上げる経済政策になります。5兆円、高齢者保有の個人資産のわずか0.25%

「高齢者が安心して資産を取り崩す=活用できる社会」をいかにして作るかは、今の我々が試行錯誤すべき大きな課題ではないでしょうか。「生涯現役の日」に思う、壮大な課題でした。