私の心情(11)―地方都市移住その4-移住を検討したが諦めた人の特徴

地方都市移住アンケート

アンケート調査の分析メモの第3回目です。今回は移住を検討したけど諦めた人を対象に分析してみます。

今回も回答者は東京・大阪・名古屋に住んでいる60-69歳の方です。移住を検討したものの諦めたという586人の年齢別分布は、平均値で64.0歳ですが、やはり60歳が一番多く、年齢が上がるほどに回答者数が減っている傾向があります。移住した人では60代後半の人の方が多かったので、諦める人は比較的早くに決断をしているのかも知れません。ただ、移住を検討中の人も年齢別の傾向は同じようになっていますから、それほど強い傾向とも思えません(P5 参照)。

移住を検討した都市をランキングしてみると、上位5都市は那覇、札幌、京都、仙台、横浜です。このリストをみると旅行に行ってみたい都市と重なるように思うのは私だけでしょうか。上位25までを分析すると、石垣、熱海、鎌倉、伊勢、軽井沢、伊豆、倉敷なども旅行に行ってみたい都市が上がってきます(P7参照)。

移住を諦めた人に「現在保有する資産で退職後の生活をカバーできるか」を聞いてみると、数字的には73%が「十分できる」「何とかギリギリ足りると思う」と回答していますが、明らかに、移住した人、まだ検討中の人と比べて、その比率が低下しているのがわかります。移住できなかったことが、最終的な資産寿命の延伸にならなければいいなと危惧します(P9参照)。代わりに、移住を諦めた人は長く働くという選択肢を念頭に置いているようです(P10)。ちなみに4割の人が70歳まで働きたいと回答しています(P15参照)。長いな。

最後に移住を諦めた理由ですが、複数回答可で44%が「踏み切れなかった」、「移住のコストが高い」「納得できる移住先が見つからなかった」「配偶者を説得できなかった」の3つがそれぞれ2割で横並びでした(P18参照)