私の心情(46)―お金との向き合い方14-私の場合の3つの収入

3つの収入で考える退職後の自分生活

自分自身、定年を迎えるにあたってそれまで人に伝えてきたことを自分でできているだろうかと振り返っています。で、やはり「お金は足りるだろうか」と心配になるのは同じです。投資教育に関わってきたとはいえ、やっぱり先行きが確定できるわけではないので、心配は尽きないものです。

そこで改めて退職後の生活費を賄う源泉を自分の目線で考えてみることにします。

退職後の生活費 = 年金収入 + 勤労収入 + 資産収入

これからの生活費は、働いて得る収入(=勤労収入)、公的年金の受給(=年金収入)、そして資産を取り崩して充当する部分(=資産収入)の3つになります。

年金収入:継続雇用のうちに次の準備

退職を迎えてしまうと年金収入は原則確定されますから、ここからバタバタしても仕方がありません。あとは、受給開始年齢を遅らせれば、その分、受給額を増やせるというだけでしょうか。それとて、長方形の横の長さを短くしただけ縦の長さが長くなると考えれば、もらえる金額に相当する面積は変わらないということだと思います。専門家の分析では、繰り下げの年数と寿命を使って繰り下げする方がお得かどうかを分析される方もいらっしゃいますが、受け取り総額でお得かどうかよりも高齢になってからの生活費をいかに厚くできるかを重視したいと思います。

私の場合、「65歳年金受給開始」への移行期に該当するため、公的年金の受給は64歳からとなっています。体調次第ですが、もう少し長く働くつもりでいますから、それで生活がカバーできるのであれば公的年金の受給開始は繰り下げしたいと思っています。

勤労収入:継続雇用のうちに次の準備

私の場合は幸いなことに、これまで勤めてきた運用会社で継続雇用を続けることができています。お給料も受け取っていますから、定年といっても勤労収入が全くなくなったわけではありせん。それに2019年5月からは自分の会社も立ち上げて働いています。まだ、お給料を出せるとこまで行っていませんが、継続雇用が終わる時に向けて細く長くできる仕事を自分で作り始めておこうという、「次のための準備」です。

資産収入:継続雇用のうちに次の準備

そのなかで現役時代と大きく違うのは、働いて得る収入の中から資産形成を続けられなくなったこと。もちろん資産運用は続けていますし、まだ毎月の積立投資も続けています。ただ、それと同額くらい預金から生活費に回していますから、実情は資産を積み上げていない状態です。現役時代が「積立ながら運用する時代」なら、今は「引き出さないで運用を続ける時代」です。「使いながら運用する時代」の少し手前というわけです。

ところで、よく考えると積立ながら預金を引き出しているので、結果として保有資産を現金から投資信託へシフトさせ、資産全体のリスクをまだ高めています。自分ではまだ資産の保守化を考えるところではないと思っているのですが、一方で確定拠出年金の引出を近いうちに念頭においていて、その対策でもあります(この話はまた別でまとめてみます)。

生活のダウンサイジング:早くから着手

3つの収入の他にもうひとつ考えるべきことは、退職後の生活費そのものを下げることです。これはこのコラムで「地方都市移住」でも取り上げていることですが、自分はどうか。よくメディアの方々には聞かれることですが、今のところ実現しそうにありません。ただ、実はすでに生活のダウンサイジングは5年ほど前から進めています。

それまで住んでいた家族5人の生活できるマンションを売却して、今は夫婦二人だけの生活ができる程度の小さなマンションに住んでいます。都心に近いところを選んだので、維持費のかかる車を手放しただけでもかなりのコストダウンです。コロナ禍で車の無い生活は郊外に気晴らしに行けないというマイナスもありますが、ちょっと遠出のウォーキングをすれば、新宿や渋谷にもいけます(あまり今は行きたくありませんけど)。

それぞれまだ不十分なところはありますが、自分でも4つの項目に関して、どこまでできるのかやっていきたいと思います。折々にブログで報告していきます。